始めるのに遅いなんてない。
まちづくりを語れるカフェを開きたい

今井裕子さん

//プロフィール

ロールモデル:今井裕子さん
今井 裕子 YUKO IMAI
特定非営利活動法人
復興イメージトレーニング協会 代表理事

普通の主婦として子育て期間中にボランティア活動ができなかった焦りから、東京大学大学院で都市計画を学び、復興において市民が主体的に行動することを目指した『市民版復興イメージトレーニング』を開発し、普及に務めています。

日常生活の視点から考える防災講座も開催。また、地域活動として越谷の観光を考える越谷市観光協会主催の『こしがやまち未来創造塾』の塾生代表を務めています。

//今ある自分のロールモデルは誰ですか?

今井裕子さん

研究室の教授です。

「何歳になっても真摯に学ぶ姿」「自分が信じて行っていることを自分が一番ほめること」「誰もいなくても信じている道を進み続けること」「動じない強さ」など、自分自身が悩んでしまうときに教授の姿は道標になります。

//人生の分岐路になった出会いは?

『復興イメージトレーニング』のシンポジウムで目黒公郎先生から、自分の研究室に来るよう勧められました。

当時40代後半の私には無理だと断ったところ、「人生80年あるのに、残りの時間何をするの?」と聞かれた瞬間に、運命の天使が目の前にあらわれました。

復興イメトレ

//計画や妄想しているプロジェクト♪

今井裕子さん
今井裕子さん

まちづくりを語れる場として、カフェを開きたいです。

「気軽に話せる集会所・自治会館・公民館のようなカフェ」「カフェの運営がメインではなく、イベントの企画や発信元という役割をもつ」「まちづくりの会話から、シビックプライドの共有・醸成をはかる」「復興について考える場にしたい」というイメージです。

復興の事前準備が進まない要因として、たびたび起こる災害を自分事として捉えがたい市民の意識があります。遠くで起きた災害の地域性などの特徴を直感的に判断することは、不安を取り除くためには必要ですが、事前準備を行うキッカケにはなりません。

事前準備の必要性については、行政が情報提供をしていますが耳に入りにくい場合もあります。しかし、身近な人からの体験談は大きなキッカケとなりやすいため、多くの人と知り合い、身近な人と防災や復興について考える機会の場として、カフェの存在は大きな役割を果たすと考えています。

経済、福祉、教育、都市計画、観光、危機管理など、市民にとってはすべてが生活のなかにあります。カフェに集まる人々が『まちづくり』という大枠で話し合うことで、幅広い分野に視野が拡大し、さまざまな方法で連携していくことが期待できます。

そのなかから、復興について一緒に考える仲間が増え、誰もが事前準備を行うことにより、市民のレジリエンス力(困難を乗り越え回復する力)が高まり、大災害後の早期復興につながります。安心・安全に暮らせるまちとは、建物やインフラの整備だけではなく、今後は、市民の自助力を高められる機会が身近にある暮らしだと考えています。