みんなが笑いながら 地域の一員として暮らせるまちにしたい
//プロフィール
多機能型精神科診療所に10数年勤務のあと、同法人で障害福祉サービス就労継続支援B型事業所を開設。5年以上の運営経験を通して就労支援と地域共生について考えるようになりました。
自分の暮らすまち『こしがや』で活動をしてみたいと2023年4月に会社を創業。同年9月、蒲生地区に就労継続支援B型『+motsu.』を開設。
地域共生を目標に、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指しています。
//計画や妄想しているプロジェクト♪
一般市民も参加できる異業種・同業種交流会です。
だれでもふらっと気軽に立ち寄れるような季節を楽しむイベントを定期開催します。そのかたわらにあるアイデアボード(掲示板)に、地域のなかでやってみたい企画やシステムなどのアイデアを書き込んでもらいます。
賛同者がいてマッチングすればそのアイデアを実現に向けてプロジェクト化していきます。また、一般市民の参加も大歓迎とします。
参加者は地域に望むサービスやコンテンツをアイデアボードに書き込み、それを見た事業者はビジネスアイデアとして取り入れて、マッチングできる事業者がいればプロジェクト化します。
この活動には運営事務局があり、プロジェクト化されたコンテンツに後からでも参入できるよう、つねに情報公開がされています。
これらがどんどんつながり、越谷独自の形を形成し活気のある街になっていくイメージです。
//今ある自分のロールモデルは誰ですか?
仕事を通して知り合った、たくさんの同僚・利用者です。
今振り返ると、私の目指すものは若いころに抱いていたものと大きく変わりました。この仕事に従事して関わったいろいろな人たちからもらった影響が、いまの私を形作っていると思いました。
そういった人たちが混ざり合った姿が、私のロールモデルです。
//人生の分岐路になった出会いは?
今は亡くなってしまった、担当した患者さんです。
当時、20代後半だった私は50代の彼と精神科デイケアで出会いました。一見強面でしたし、病気の状態としても軽い方ではなかったのですが、数年間デイケアで毎日一緒に過ごすうちに彼のユーモアや優しさを知りました。
しかし、一方では不安定でいわゆる最重度と呼ばれるような病状であり、精神科のなかでも状態の重い彼は障害福祉サービスから拒否されてしまい「働きたい」という望みが叶うことは困難でした。
私は、彼は人間的な魅力にあふれた人だったので「この人なりの就労の形を創造することで、生きがいを持って地域生活ができるようになるのではないか」と考えるようになりました。模索し試行錯誤を経て、B型事業所でそれを実現できるのではないか、と思い至りました。
しかし、目指す形が見えてきた矢先に彼に癌が発覚します。私はB型事業所の開設を目指しましたが、間に合わず彼は他界しました。彼と出会って約10余年が経ち、B型事業所を開設しました。そして今、彼と過ごした日々から得た自分の思い描く事業所を目指して、日々運営に取り組んでいます。
精神科には医療が絶対的に必要で、医療こそが支援の中心だと思いこの世界に入りました。
しかし、彼と出会って、医療は重要ですが生きていくことに必要なのは医療だけではないと思うようになりました。ともに笑いながらその地域の一員となってお互いに支えあって暮らしていく、そういう「まち」を創るような事業所にしたいと思っています。